地震発生時の建物内での適切な行動指針
目次
はじめに1.冷静な行動
はじめに
地震は突然発生し、建物内で私たちの安全を脅かす可能性があります。地震が発生した際には、正しい行動をとることが重要です。この記事では、地震発生時の建物内での適切な行動指針について詳しく説明します。以下のガイドラインに従って行動することで、地震の被害を最小限に抑えることができます。
1.冷静な行動
1-1自分自身を落ち着かせる
地震が発生した瞬間は、最初に自分自身を落ち着かせることが重要です。深呼吸、頭の中で冷静に考える時間を持ちましょう。パニックに陥らずに冷静さを保つためには、自制心を持つことが必要です。
1-2 周囲の状況を確認する
地震が発生したら、周囲の状況をよく観察しましょう。地震の揺れの方向や強さ、建物内の安全な場所などを判断します。周囲の人々や緊急事態に関する情報にも注意を払いましょう。
1-3 ドロップ・カバー・ホールドを実施する
前述のドロップ・カバー・ホールドは、地震時の基本的な行動指針です。地震が発生したら、即座にこの行動をとりましょう。身を守るためにしゃがみ込み、頭と首を保護し、安定した場所で揺れが収まるまで待ちます。
1-4 混乱やパニックを避ける
地震発生時には、周囲の人々が混乱やパニックに陥ることがあります。しかし、自身が冷静でいることで他の人々にも安心感を与えることができます。自身の行動に集中し、他の人々を助けるためにも冷静さを保ちましょう。
1-5 適切な情報源を確認する
地震発生時には、正確な情報が重要です。テレビやラジオ、公式の災害情報など、信頼できる情報源を確認しましょう。誤った情報に惑わされることなく、適切な行動をとるための指示や情報に従いましょう。
1-6 備えと訓練の重要性を認識する
地震に備えて事前の準備と訓練を行うことは、冷静な行動をとる上で非常に重要です。避難経路や避難場所を把握し、地震発生時の行動計画を家族や同僚と共有することで、冷静に行動する準備ができます。
ドロップ・カバー・ホールドとは
ドロップ (Drop)
地震が発生した瞬間、まずはその場にしゃがみ込みます。倒れたり投げられたりするものから身を守るため、地震の揺れに合わせてしゃがみ込むことが重要です。しゃがみ込む際には、両手を使ってバランスを保ちましょう。
カバー (Cover)
次に、頭と首を保護するためにカバーします。両手を頭の後ろに持っていき、頭を両手で覆いましょう。可能であれば、頭の上に頑丈な物や机、机の下などの避難場所がある場合は、その近くに身を隠すことができます。頭部の保護は、地震時に起こる物体の落下や頭部のけがを最小限に抑えるために重要です。
ホールド (Hold)
ドロップとカバーの状態を維持し、揺れが収まるまでそのままホールドします。地震の揺れが続いている間は、安定した位置で身を守るためにこの状態を保持します。地震の揺れが収まるまで待ちますが、揺れが止まった後も安全が確認されるまで注意が必要です。
ドロップ・カバー・ホールドは、地震発生時に身を守るための基本的な行動指針です。この行動をとることで、頭部や内臓の保護、倒れた物からのけがを最小限に抑えることができます。また、安定した位置に身を置くことで、地震が収まるまで安全に待つことができます。
ただし、建物の構造や状況によっては、ドロップ・カバー・ホールド以外の行動が適切な場合もあります。地震発生時には、周囲の状況や指示に応じて適切な行動を取るようにしましょう。また、地震への備えや訓練を行うことで、ドロップ・カバー・ホールドなどの行動を自然に行えるようにすることが重要です。
2.窓やガラスから離れる
2-1 近くの壁や頑丈な家具の下に移動する
地震が発生したら、できるだけ早く窓やガラスから遠ざかるようにしましょう。近くに頑丈な壁や家具がある場合は、その下に移動します。頑丈な家具の下に身を隠すことで、窓ガラスからの飛散や破損によるけがを最小限に抑えることができます。
2-2 カーテンやブラインドを避ける
地震発生時には、カーテンやブラインドの近くにいると、窓ガラスの破損によるガラス片の飛散の危険性があります。できるだけカーテンやブラインドから離れるようにしましょう。
2-3 窓から離れた安全な場所に移動する
窓から離れるだけでなく、可能な限り安全な場所に移動することも重要です。壁の近くや頑丈な家具の下に身を隠すことができる場所があれば、そちらに移動しましょう。また、建物の構造によっては、柱や梁の周辺が安定している場所とされることがありますので、そのような場所を探して移動することも考慮してください。
2-4 落下物から遠ざかる
地震発生時には、建物内での落下物の危険性が高まります。窓やガラスの近くにある物体や装飾品などから遠ざかりましょう。特に、ガラス製品や鏡、フレームなどは、地震の揺れによって割れたり倒れたりする可能性がありますので、注意が必要です。
3.エレベーターの使用を避ける
3-1 電力供給の停止や故障のリスク
地震が発生すると、建物内の電力供給が一時的に停止することがあります。このような状況では、エレベーターが停止し、乗客が閉じ込められる可能性があります。また、地震によってエレベーターシャフトや制御装置に損傷が生じ、エレベーターが正常に動作しなくなることもあります。
3-2 避難経路の混雑
地震発生時には、建物内の避難経路が混雑する可能性が高まります。エレベーターを使用すると、多くの人が同時にエレベーターを利用しようとするため、混雑がさらに悪化する可能性があります。これによって、避難の遅れや緊急時の対応が困難になることがあります。
代替手段として、以下のような行動を取ることが推奨されます
①階段を使用する
地震発生時には、できるだけ階段を利用して建物から安全に避難しましょう。階段は通常、頑丈な構造を持っており、揺れに対して比較的安定しています。階段を使用することで、避難経路の混雑を避けることができます。
②安全な場所で待機する
地震が発生した場合、エレベーターに閉じ込められる可能性があるため、建物内で安全な場所に移動し、地震の揺れが収まるまで待機しましょう。頑丈な家具の下や壁際、柱や梁の周辺など、地震の揺れに対して安定性のある場所を探して身を守りましょう。
③建物の緊急避難計画に従う
建物には緊急避難計画が設定されている場合があります。地震発生時には、建物の緊急避難計画に従い、適切な行動を取るようにしましょう。建物の避難経路や避難場所についての情報を事前に確認し、適切な行動をとることが重要です。
4.電源のオフ
4-1 火災や感電のリスクを軽減するため
地震によって電線や電気設備が損傷し、断線や漏電などの問題が発生する可能性があります。これによって火災や感電のリスクが高まります。電源をオフにすることで、電気系統の問題を軽減し、火災や感電のリスクを減少させることができます。
4-2 救助活動の支援
災害発生時には、救助活動や避難誘導など、緊急対応が必要となります。電源をオフにすることで、電気系統の安全性が確保され、救助活動の支援や避難誘導がスムーズに行われることができます。
電源をオフにする手順は以下の通りです
電源を切る
まず、主電源を切ります。一般的には、建物の電気制御盤や分電盤にある主幹ブレーカーや電源スイッチを切断することで、電源をオフにします。必要に応じて、個別の回路ブレーカーやスイッチも切断します。
電化製品の電源を切る
電源をオフにした後、電化製品の電源も切断します。テレビ、エアコン、冷蔵庫、コンピューターなど、可能な限りすべての電化製品のプラグをコンセントから抜いてください。
照明を消す
地震発生時には、照明が揺れて落下する危険性があります。照明を消灯することで、照明器具の破損や落下によるけがを防ぐことができます。
5.避難経路の確認
5-1 建物の設計図や案内板を確認する
建物内には、避難経路や緊急出口に関する設計図や案内板が設置されている場合があります。これらの情報を確認し、建物内の避難経路や緊急出口の場所を把握しましょう。建物内の各階には、緊急階段や非常口がどこにあるかを示すマークやサインが設置されていることが一般的です。
5-2 避難経路の実地調査を行う
建物内の避難経路を実際に歩いて調査しましょう。通常、階段や非常口が主な避難経路となりますが、実際にそのルートを辿って確認することで、特に緊急時に迷わずに避難できるようになります。また、避難経路が閉鎖することや障害物がある場合に備えて、代替のルートを探すことも重要です。
5-3 避難経路の障害物や安全性を確認する
避難経路には障害物が存在する場合があります。例えば、倒れた家具や荷物、ドアの障害物などが避難を妨げる可能性があります。避難経路を確認する際には、これらの障害物がないかどうかを注意深くチェックし、必要に応じて移動させるか取り除く必要があります。
5-4 緊急灯や非常用照明の確認
地震や災害発生時には、建物内の照明が停止する可能性があります。そのため、建物内には緊急灯や非常用照明が設置されていることが一般的です。避難経路に沿ってこれらの照明が正常に機能するかどうかを確認し、必要に応じて報告や修理を依頼しましょう。
5-5 避難経路の定期的な確認と訓練
避難経路の確認は、定期的に行うことが重要です。建物内の配置や状況が変わる場合があるため、定期的に避難経路を確認し、最新の情報を把握することが必要です。また、避難訓練や災害対策のトレーニングに参加することで、避難経路の使用方法や適切な行動を習得し、緊急時の対応力を高めることができます。
まとめ
地震が発生した際には、冷静な判断と正しい行動が生命を守るために不可欠です。ドロップ・カバー・ホールドの実施、窓やガラスからの遠ざかり、エレベーターの使用の避け方、電源のオフ、避難経路の確認など、地震発生時の適切な行動指針を守ることで、自身と他の人々の安全を確保することができます。地震への備えを怠らず、常に安全意識を持つようにしましょう。