防災意識の普及促進のための啓発イベント:安全を守るための一歩
目次
はじめにあそび防災プロジェクト
はじめに
近年日本では、自然災害の頻度と強度が増加しており、地域の安全を守るためには防災意識の普及が重要な課題となっています。このような状況を受けて、地域の住民がより備えをし、適切な対応を行えるようにするための「防災意識の普及促進のための啓発イベント」が開催されました。この記事では、そのイベントについて複数紹介します。
あそび防災プロジェクト
あそび防災プロジェクトとは、遊びという、だれもが参加しやすく、行きたくなるような楽しい体験を通じて、防災にあまり興味がない人にも防災を知ってもらうきっかけを作ることを目的としています。イベントを楽しみつつ、有事に必要な「自分で助かる、他人を助ける」知恵や経験を得ることができます。
(あそび防災プロジェクトHPより)
防災の分野は、「自分の住んでいる地域では、災害に巻き込まれたことがないから防災の意識は高めなくても大丈夫」、「避難した先で暮らせる自信がある」、「被害を受けてから考える」という考えの人は多いと筆者は思います。なかなか取り組みづらい問題であり、自然災害の大きさは想定できないため、意識向上が図りにくいと感じます。
しかし、あそび防災プロジェクトでは防災に遊びを掛け合わすという取り組みをしています。その「防災×遊び」とすることで防災意識向上を図っているのがこのあそび防災プロジェクトです。
1.プロジェクトの内容
防災運動会
「防災運動会は運動会に防災知識を取り入れた新しい運動会です。運動会としての楽しさを残しながらも、防災に関する知識や知恵を身につけ、自分で助かる・他人を助けることの大切さを学べます。楽しいだけでなく役に立つ、それが防災運動会です。」
(あそび防災プロジェクト HPより)
競技が防災に対する意識向上を達成する特徴として4つあります。
①防災を5つのフェーズに分けて体験
防災運動会では防災を5つのフェーズに分割し、「事前準備/災害発生/発生直後/避難生活/生活再建」とそれぞれのフェーズに応じた競技を体験していただきます。
②身体を動かしながら防災を楽しく学べる
楽しいにフォーカス、防災を知らない人に届けます。防災運動会は老若男女どんな人でも楽しみながら参加できる防災イベントです。会社のレクリエーションとしても楽しめて、社員の家族も参加できる。何も知らない人が防災に興味を持つきっかけを作ります
③地産地防、地域や参加者に応じて競技をカスタマイズ
災害は地域や周囲の環境、家族や隣人との関係によっても対策が変わってきます。地震の頻度が高い地域か、台風が多い地域か、家族での被災を想定するか、会社にいるときの被災かなどによって競技をカスタマイズ、オリジナルで作る必要があります。
④チームビルディングにもなる防災
防災運動会はチームビルディングにもぴったりの「楽しい」防災です。各競技には作戦タイムが与えられ、参加者は答えのない災害への対策を話し合います。
(あそび防災プロジェクトHPより)
はじめに述べたように、防災の分野については、被害の想像がつきにくく、初めに何から学べばいいのかわかりません。しかし株式会社IKUSA様では、小さいころから馴染みのあるイベント「運動会」と被害の想像することが難しい「防災」を掛け合わせています。
2.運動会の種目
①防災クイズラリー
これは防災に関するクイズを企画者であるスタッフが出して、参加者がそのクイズにある選択肢の中から答えを当てるというものです。
この競技の特徴は、参加者がこたえられる時間が10秒しか答えられないことにあります。実際に災害に巻き込まれ、身を守る鼓動や避難を行う際には、いち早く考えて行動をしなくてはならないからです。自分や家族の安全を守るためには10秒以内に答えをいち早く出し、最適な行動を導くことが大切ということを学ぶことができます。クイズ自体の内容も非常に役立つ内容であるため活かすことができます。
②防災障害物リレー
これは災害に巻き込まれている時点のことを仮定して、数個の障害をクリアし、ゴールを目指すという競技です。例えば、がれきを想定して足つぼマットが敷かれていて、そのまま歩いたらけがをしてしまう状況が想定されています。この障害の問題をクリアするためには、長机の上に置いてある新聞紙でスリッパを作ります。災害時には、がれきが散乱しており、けがをしてしまう可能性があることを学ぶことができ、安全な靴を履いて避難することが大切ということがわかります。
また、消火器に水を入れてあるものが置いてあって、火を模した障害物を倒すとクリアとなるものもあります。消火器を使う正しい手順がわかっていないと、水が出ません。消火器というものは実際に使う場面は少ないように思えます。ですが、目の前にまだ間に合いそうな火種があるときに、消火器の使い方がわからないため火が大きくなってしまったということを無くすことができます。そして、消火器の射程距離というものも把握できる機会になります。火自体に近すぎてもやけどをしてしまう恐れがあるし、遠すぎると薬剤が届かずに、消火に至らないのを避けることもできると思います。
③防災借り物リレー
これはスタッフが災害時のパターンをお題とし、そのお題に合っている道具を選ぶ競技です。この道具とは、普段身の回りにある段ボールや新聞紙、バケツなどです。自宅や会社のオフィスに留まっているときに役立ちます。
具体的には、スタッフの出したお題が「雪が降るほど寒い日に被災しました。体を温める行動をとってください!」という指示があります。その場合参加者は身の回りにある、道具を使って最適な防寒グッズを作らなくてはなりません。Youtubeの紹介PVには、体を新聞紙で覆い、ネクタイを結んで固定するというものでした。。寒さで考えることが難しい中、アイデアが身を守る道具まで作るのは容易ではありません。しかし、防災運動会を経験したことにより、このような発想までのプロセスを学べたため、実際に被災した時もアイデアを考えて生み出せると思います。また、身の回りにある道具が自身の命を守るための大切なアイテムだということを知るきっかけにもなったこととなったことでしょう。
この競技は災害発生から、24時間たったことを想定されています。災害発生時と比べると緊急性は低い内容に思いますが、適切な判断や行動が求められます。
④避難場所ジェスチャーゲーム
これは物資保管場所を想定して、足りないものを持ってきてもらうという競技です。ここでは足りないものを伝達する際に、ジェスチャーを使います。この競技ではジェスチャーをする人が素早く足りないものを判断して、適切なジェスチャーで伝達することと持っていく人がそのジェスチャーは何を意味して何を待ってきてほしいのか、正確に判断する必要があります。
この競技は災害発生72時間、約3日たっているときに役立つゲームです。被災した時の活動の時に、活かすことができると思います
防災安全協会「防災イベント」
阪神・淡路大地震、東日本大震災、熊本大地震等で起こった地震・災害を契機に多くの地域の防災活動が行われています。防災活動と聞いて「堅い」イメージや「暗い、地味くさい」といったイメージが先行するかと思います。
そこで、「企業や行政」の防災活動として、お子様~お年を召された方まで楽しんでいただけるような防災イベントを企画しました。参加して感動を与えるような体験型のイベントを企画し、「学ぼうさい・遊ぼうさい」といたしました。ここに、地域防災イベントのご提案をいたします。
(一般社団法人 防災安全協会 HPより)
①起震車体験
過去に起きた大震災の揺れを体験することができる車です。前後、左右、上下動かすことが可能です。
この防災安全協会のものではないですが、筆者はYoutubeでこの体験の動画を見てみました。詳細としては、その起震車は震度3~7まで体験でき、真ん中に机でそれを囲むように椅子が置かれています。その椅子に男性4人が座っていました。日本ではよく震度3、4の地震が起きるためか、震度3や4の時は裕があったように見えました。しかし、震度5,6になると、頭の揺れ方が変わって机を必死に抑えて揺れを軽減していました。さらに、震度7になると机を必死に抑えても、頭が揺れて体が飛び跳ねるようなものでした。感想としては震度5を観測すると、たとえ地震に慣れてしまっている日本人でも、震度5以上で余裕はなくなると思いました。なぜなら、この起震車の机と椅子は固定されているものだからです。一般の家では机や椅子は固定されていないと思います。そのため、机は動いてしまい、体を固定できず、椅子からは落ちてしまうだろうと筆者は思いました。
起震車体験は、一般の人々が大きな地震の揺れを感じることができる貴重な体験です。起震車体験を通じて、地震が建物や人体に及ぼす影響を体感し、地震のリスクや耐震性についての理解を深めることができます。
②非常食グランプリ
これは参加者が試食をして、美味しかったものを投票しグランプリを決定します。実際の災害食を食べることで、震災時の食事がどんなものなのかを体験できます。
このグランプリはエントリーの部門が何個か分かれています。「SDGs取組み部門」、「お米・炭水化物部門」、「缶詰部門」、「レトルト部門」、「ローリングストック部門」、「健康・アレルギー対応部門」、「特別賞」というように分かれています。
入賞した企業は大企業家中小企業までさまざまであり、非常食という分野にどの企業も真剣に取り組んでいることがわかりました。また、消費者も進んで食べる良い機会になり、非常食のおいしさを伝えられていると思います。
まとめ
あそび防災プロジェクトは、防災にあまり興味がない人にも防災を知ってもらうきっかけを作ることを目的としています。防災運動会では、防災を5つのフェーズに分けて体験し、身体を動かしながら防災を楽しく学ぶことができます。競技は地域や参加者に応じて計画され、チームがより協力するような内容となっています。
防災運動会の中で行われる種目の一部としては、防災クイズラリーや防災障害物リレー、防災借り物リレー、避難場所ジェスチャーゲームが挙げられています。これらの種目を通じて、参加者は防災に関する知識や適切な行動を学ぶことができます。
また、防災安全協会も地域防災教育を推進するための防災イベントを行っています。地域の安全意識を高めるために取り組んでいることが伺えます。
これらの啓発イベントは、楽しみながら防災に関する知識や経験を得ることができるため、すべての人が防災意識を高める一歩となるでしょう。