非常食はどのくらい備蓄しておけばいいの?
目次
はじめに非常食の重要性
非常食の備蓄量
非常食の種類
まとめ
はじめに
非常食とは、災害や紛争などの緊急事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧のことです。調理不要で、そのまま食べられるものや、簡単に温めたり水を加えたりするだけで食べられるものが多く、保存性に優れています。
非常食の重要性
非常事態に備える
災害や緊急事態が発生した場合、交通機関や供給網が混乱し、食料や水の入手が困難になる可能性があります。非常食の備蓄は、このような状況に備えて食料を確保する手段となります。
長期間の自給自足
災害が発生して外部の支援が遅れる場合や、避難が必要な場合には、数日から数週間にわたって自給自足できる食料が必要です。非常食の備蓄は、長期間にわたって十分な栄養を摂取するための供給源となります。
栄養バランスと保存期間
適切に選ばれた非常食は、必要な栄養素をバランスよく含みます。災害時にはストレスや困難な状況が続くため、栄養バランスの取れた食事が重要です。また、非常食は長期間保存されることが多いため、長期保存が可能な食品を選ぶことが必要です。
家族や自己の安全確保
非常食の備蓄は、家族や自己の安全を確保するための重要な手段です。十分な食料があれば、災害時には外出や危険な状況への移動を避けることができます。また、食料が不足している場合には、飢えや栄養不良による健康リスクが高まる可能性があります。
心理的な安心感
非常食の備蓄は、心理的な安心感をもたらす要素でもあります。災害や緊急事態に直面したときに、食料の確保について心配する必要がなくなるため、精神的な負担が軽減されます。
非常食の備蓄量
定性的な面と定量的な面に分けて考えます。
定性的な面
家族構成
備蓄する非常食の量は、家族の人数や年齢構成によって異なります。備蓄する食料は家族全員が適切に栄養を摂取できるようになっているかを考慮する必要があります。
食事の好みや特殊な食事制限
備蓄する食料は、家族の食事の好みや特殊な食事制限に合わせて選ぶ必要があります。アレルギー、宗教上の制限、特定の食事療法などがある場合には、それに応じた備蓄を行う必要があります。
避難の予定や地域の災害リスク
予測される避難の期間や地域の災害リスクも考慮に入れる必要があります。長期間の避難が予想される場合やより高いリスクの地域では、より多くの非常食を備蓄する必要があります。
定量的な面
食料の備蓄日数
専門家や地域の災害対策機関は、少なくとも72時間(3日間)分の食料を備蓄することを勧めています。一部の国や地域では、より長期間の備蓄を推奨する場合もあります。
食料のカロリー摂取量
備蓄する食料は、家族のエネルギー需要を考慮して選ぶ必要があります。一般的には、1日あたり約2,000〜2,500カロリーの摂取が目安とされています。
飲料水の備蓄量
非常食の備蓄には、飲料水も含まれます。専門家は、1人あたり1日につき約2リットルの飲料水を備蓄することを勧めています。
非常食の管理方法
期限の確認
定期的に非常食の品目ごとに期限を確認しましょう。期限が近づいている食品は、日常の食事に取り入れたり、寄付したりするなど、消費する方法を考えます。
ローテーション
期限が近い食品を消費するために、ローテーションシステムを導入しましょう。新しい非常食を備蓄する際に、既存の食品を前に出し、後ろに追加することで、常に古い食品から消費できるようにします。
品質のチェック
非常食のパッケージが損傷していないか、密封が破れていないか、異常な臭いや変色がないかなど、品質をチェックしましょう。品質に問題がある場合は、早急に交換する必要があります。
飲料水の交換
飲料水も定期的に交換する必要があります。専用の保存容器やペットボトルを使用して備蓄している場合は、定期的に水を入れ替えて新鮮さを保ちます。お湯のような外部の要因で影響を受けやすい場合は、さらに頻繁な交換が必要です。
更新と補充
非常食の期限が近づいたり、消耗品(乾電池、ロウソク、ライターなど)が使われたりした場合は、定期的に補充する必要があります。また、家族構成や特別なニーズが変わった場合にも、備蓄を見直して必要な項目を追加・更新します。
この備蓄品の管理方法をローリングストック法といいます。
ローリングストック法
手順としては、
①初期の備蓄
最初に、必要な非常食や消耗品を適切な数量だけ備蓄します。この時点では、すべての品物が同じ期限を持っています。
②消費
家庭での日常の食事や消耗品として、備蓄品の一部を使用します。使用する際には、一番古い在庫から消費するように心掛けます。
③追加
備蓄品を使用した後、不足した分を新しい在庫で補充します。新しい在庫は、既存の在庫の最後尾に追加されます。
定期的な更新
定期的に非常食や消耗品の備蓄を点検し、期限が近づいているものや品質に問題があるものを交換します。また、必要に応じて補充を行い、備蓄品の適切な量を維持します。
ローリングストック法の利点は、備蓄品の新鮮さと品質を確保できることです。古い在庫が頻繁に使用され、新しい在庫が追加されるため、備蓄品の劣化や期限切れを最小限に抑えることができます。
非常食の種類
乾燥・缶詰食品
乾燥食品や缶詰食品は、長期保存が可能で備蓄に適しています。乾燥食品には、乾燥果実、乾麺、インスタントスープ、乾燥肉などがあります。缶詰食品には、缶詰の肉、魚、野菜、果物、スープなどがあります。栄養価を確保するために、バラエティ豊かな種類を備蓄することが推奨されます。
ビスケットやクラッカー
ビスケットやクラッカーは、備蓄に適している緊急時の非常食です。長期保存が可能で、エネルギー源としても機能します。穀物を主成分とした栄養価の高いビスケットやクラッカーを選ぶことが重要です。
缶入りの飲料や乳製品
災害時には、水が不足する可能性があるため、缶入りの飲料が役立ちます。缶入りのジュース、スポーツドリンク、コーヒー、紅茶などは、喉の渇きを癒すことができます。また、缶入りの乳製品(コンデンスミルクなど)は、栄養価が高く、多様な用途に利用できます。
高タンパクな食品
災害時には、タンパク質の摂取が重要です。タンパク質を豊富に含む非常食としては、缶詰の肉や魚、乾燥豆、ナッツ、プロテインバーなどがあります。タンパク質は体の修復とエネルギー源として重要な役割を果たすため、バランスの取れた食事を確保するために備蓄することが推奨されます。
袋入りの乾燥食品
袋入りの乾燥食品も備蓄に適しています。例えば、乾燥フルーツ、ビーフジャーキー、乾燥スープミックスなどがあります。軽量で持ち運びがしやすく、エネルギー源として使えます。
まとめ
非常食の備蓄は災害時や緊急事態に備えて重要です。備蓄食品は長期保存が可能で栄養価が高いものを選ぶことが推奨されます。備蓄の定量的な面では、家族の人数や備蓄期間、カロリー摂取量、飲料水の備蓄量などを考慮し、適切な量を計画します。非常食の定期的な管理は品質と新鮮さを保つために重要です。期限の確認、ローテーションシステムの導入、品質のチェック、飲料水の交換、定期的な更新と補充などが管理手法として一般的です。ローリングストック法は、古い在庫を使用して新しい在庫を追加し、備蓄品のローテーションを確保する方法です。古い在庫から消費することで品質と新鮮さを維持します。非常食の種類には乾燥・缶詰食品、ビスケットやクラッカー、缶入りの飲料や乳製品、高タンパクな食品、袋入りの乾燥食品などがあります。栄養バランスや個人の食事制限を考慮しながら適切な食品を選びます。
備蓄と管理の目的は、災害時に適切な栄養を確保し、家族や自己の生命と安全を守ることです。定期的な点検と交換、必要な補充、適切な食品の選択が必要です。